・市役所の仕事って楽?それとも激務?
・楽な部署と激務な部署を知りたい!
「市役所の仕事は楽だ」とか「実は激務だ」とか様々な意見があります。
実際のところがどうなんでしょうか。
この記事では、市役所の仕事の実情について元公務員が解説していきたいと思います。
市役所で10年間働いた筆者の経験をもとに書いていこうと思います。
市役所の仕事って楽なの?それとも激務?
結論から言うと、部署によって全然違います。
楽な部署は残業が年間を通しても少ないです。
また、クレーム対応などメンタルに来る仕事も少ないため、精神的にも安定して仕事ができます。
一方で激務な部署の特徴は次のとおり。
・年間通して慢性的に残業が必要
・土日の出勤も必要なことも多い
・制度が複雑で量が多い
・窓口や電話でのクレーム対応が多く精神的に疲れる
仕事の絶対量が多く、制度も細かい&複雑で慢性的な残業があります。
メンタルが強い人が配属されることが多いですが、それでも病休になってしまう人もいます。
市役所の激務な部署とは
一般的に激務な部署といわれる例を挙げてみます。
生活保護課
生活保護を担当する部署です。
生活保護者を受け持ったり、保護を希望する市民への相談に乗ったりします。
生活保護課は市民対応が特に大変です。
ハードクレームを受けることが多く、精神的にタフでないとやっていけません。
たまにニュースで生活保護の相談に来た市民が、職員に危害を加えるニュースを目にします。
市役所で注意しに来た男性職員の顔面殴る 容疑で男逮捕 生活保護相談で来庁、騒ぐ 松戸
Yahooニュースより
ニュースになるのは氷山の一角で、実際にはもっとハードクレームを受けています。
担当する被保護者に何かあると土日でも出勤しないといけなくなります。
障害福祉課
障害者に対する福祉を受け持つ部署です。
制度が難解で業務量が多いです。
さらに市役所が障害者からの苦情の受け皿になっている現状があり、クレーム対応が多発して対応に苦慮する部署でもあります。
真面目で正義感が強い職員ほどメンタルを病んでしまう傾向があります。
後期高齢者医療保険課
75歳以上(一定の障害がある場合は65歳以上)の医療保険を担当する部署です。
最近だと国が医療費の2割負担を導入しましたが、市民の苦情は市役所の窓口へ集まります。
制度も簡単ではなく、制度改正が多くその都度住民への周知対応が必要になります。
また、高齢者を対象にしているため制度の説明を理解してもらうのも一苦労です。
団塊の世代が後期高齢者になり、被保険者が増加していくことが見込まれているため、今後も業務が増加していくことが予想されます。
国民健康保険課
国民健康保険を担当する課です。
無職、自営業、退職者などを対象に保険証を発行します。
就職、退職のたびに社会保険との切り替えが必要になり、そのたびに手続きを受ける必要があります。
また医療費の還付などの給付の様々な申請を受け持つため、日中は窓口対応や電話対応に追われます。
さらに国保税の滞納者へは個別に勧奨や給付制限の対応が必要になります。
保険証のマイナンバーカード移行により、一時的に業務量が増える可能性がありますが、制度が浸透すれば業務量は減るかもしれません。
財政課
市のすべての予算を司る部署です。
「出世コース」や「花形」ともいわれる部署で、優秀な人材が配属されることが多いです。
予算時期や決算時期はとてつもなく激務で、
朝まで仕事→シャワーを浴びるためだけに帰宅しすぐ出勤
みたいな異常なことになってる職員も出てきます。
数字を扱う細かい業務内容ながらミスできない仕事です。
さらに各課の幹部クラスとも調整を図ったりと、ストレスフルな部署でもあります。
激務かどうかは人それぞれ
一般的な激務部署は人それぞれです。
市民課は定時で帰れるから楽
という人もいれば
市民課は窓口業務が多いから辛い
という人もいます。
「楽と言われる部署で苦労しているから自分は無能だ」なんてことを思う必要あはありません。
激務に思うかどうかは人それぞれです。