公務員は勝ち組という声を聞くことがあります。
実際はどうなんでしょうか?
元市役所職員として10年勤務していた僕の意見としては「そこそこ勝ち組」だと感じます。
なぜそのように思うのかを大きく5つの理由をあげて解説したいと思います。
【理由①】圧倒的に安定している→将来設計がしやすい
日本においては民間企業でもリストラになるケースというのは少ないといわれています。
公務員はそれ以上にリストラになる可能性が少ないです。
人口が減少して職員が減っていく可能性はありますが、リストラではなく新採用を減らすか早期退職を募って職員数を減らすという形を取るでしょう。
仕事が安定して上に、「何歳でいくらくらいの給料になるか」がだいたい分かります(給料表が法令上定められているので)
そのため人生設計がしやすくなります。
ずっと公務員として働く方にとっては大きなメリットですね。
【理由②】世間体がよく信用が厚い
「私の職業は国家公務員です」
「僕は市役所職員として働いています」
やはりこういう”公務員”という肩書は強いです。
公務員として働いているというだけでなぜか信用が高いですよね。
特に地方での公務員という肩書は特に世間体が良いというのが身に染みて分かります。
個々の能力よりも所属している組織の肩書に注目しがちな日本人の特徴なのかもしれません。
【理由③】ローンやクレジットカードの審査が通りやすい
理由②の信用の延長上の話にもなりますが、ローンやクレジットカードの審査は圧倒的に通りやすいです。
僕も車のローンを銀行に申請したことがあります。
審査書類の控えとして渡された書類の銀行記入欄に「申請者は公務員で返済能力があるため貸付に問題はないと思われる」みたいなことが書いてありました
(そもそもあの書類は申請者に見せていいものだったのか・・・)
いずれにしても、公務員であることが金融機関としてはプラスになっていることは間違いありません。
個人事業主になって気づいたのですが、ローンやクレジットカードの審査なんてまぁ通りません。
【理由④】働きやすい職場環境
これは組織によるところもありますが、働きやすい職場環境はあると思います。
働きやすい環境とは主に「休暇の取りやすい環境」と「ノルマのない環境」があります。
休暇については私の職場でいえば産休、育休はとても取りやすそうでした。
そして基本的にほとんどの職員が休暇後に復帰していました。
民間だとなかなか復帰しづらかったり、復帰できても前と同じポジションにしてもらえない・・・なんて話も聞きますね
もちろん、産休育休を取って復帰できるのが本来あるべき姿ではあります。
しかし民間企業の現状としてはブランクがあくことの難しさがあるのかもしれません。
【理由⑤】退職してからも安心
公務員であれば退職後も比較的安心できるのではないかと思います。
その理由として
・退職金の多さ
・行政書士資格の付与(条件あり)
があります。
公務員の退職金については、特に定年退職まで働けば老後も安心できるくらい貰うことができます。
行政書士の資格については、「特認制度」というものがあります。
特認制度とは
「17年以上(中卒なら20年以上)行政事務を行った国家公務員や地方公務員が、試験を受験することなく行政書士資格を取得できる」
という制度のこと
簡単に言うと、一定期間公務員として働けば試験なしで行政書士の資格が貰えるよってことです。
行政書士とは、申請者に代わり行政手続きの代行をすることができる国家資格です。
退職後の働き先として、自動的に一つ大きな選択肢ができるというわけです。
僕の職場の上司にも、退職後に行政書士の仕事をされている方がいました
”完全”ではなく”ほぼ勝ち組”
ということで公務員はほぼ勝ち組というのが僕の意見です。
完全勝ち組かというと自身をもってYESとは言いにくい部分もあります。
・給料の低さ
・激務部署に配属されると悲惨
・副業ができないなど自由が効かない
このようなデメリットも公務員にはあります。
もっと環境が恵まれた民間企業もたくさんあるでしょう。
ただ、すべてに満足いく職業というのは基本ありません。
結局「勝ち組」かどうかは「自分が満足いくか」という主観的なものだと思います。
そのためにはまず「自分は仕事に対して何を一番重視するのか」を考える必要があるでしょう。